夕燕

うすむらさきの 茜空(あかねぞら)
見てたらなぜか 泣けてきた
夕つばめ 夕つばめ
どこまで 飛んでゆく…
あいつが今も ひとりなら
帰って来いと 伝えておくれ

人目気にせず 歩いてと
置手紙(かきおき)のこし 消えた奴(やつ)
夕つばめ 夕つばめ
呼んでも 遅いのか…
男の胸の 淋(さみ)しさを
わかってくれた やさしいあいつ

花屋の露地(ろじ)に 遅咲きの
すずらん咲いて 春が来る
夕つばめ 夕つばめ
もいちど 飛んでこい…
今ならきっと まにあうさ
しあわせ行きの 最終電車
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