金平糖

あの日 私は泣いていた
大事な大事なあの人を
思うたびに涙があふれ
心がチリヂリ砕け散り
誰にも会いたくなくて
何処にも行きたくなくて
ただひたすらにあてどもなく
夜の町を歩いてた

突然星が落ちてきた
あわててすくった手のひらに
小さく白い氷の粒
記憶のかけらの金平糖
私はそっとなめてみた
ほんのり冷たく甘い
口の中で転がすたびに
角が痛い 金平糖

辛い時 何も聞かないで
苦しい時 冗談言ってたね
悲しい時 そっと寄り添って
嬉しい時 抱きしめてくれた

あなたが残してくれた
愛しい愛しい思い出が
この胸いっぱいに広がって
暗い空にのぼっていった

大丈夫 瞳(め)を閉じればそばに
大丈夫 笑顔浮かんでくる
大丈夫 一人じゃないから
大丈夫 歩いて行けるよ

あなたがくれたおくりもの
大事な大事なおくりもの
今度は私が誰かの
心溶かす 金平糖
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