盛り場すずめ

おれもおまえも 鶴にはなれぬ
ビルの谷間の 盛り場すずめ
酒で悩みが 消えるじゃないが
今日も道草 縄のれん
「おい、元気だせよ」
泣いたとて 酒の苦さが 変わろうか…

恋も仕事も おまえにだけは
負けたくないと 張り合って来た
同じ時代の 嵐にもまれ
耐えてしのいだ おれたちさ
「おい、飲めよ」
注ぐ酒に 通う友情 しみじみと…

人を押しのけ 生きてくことが
どこか苦手な おまえとおれさ
浮世小路を 軒下づたい
よろりよろけて 千鳥足
「おい、しっかりしろ」
抱く肩に 変わる日付の 駅灯り
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