線香花火

浴衣の袖を吹き抜ける 冷たい夏の風
人ごみの向こうに君の 笑顔を見つけたんだ

恋人ではいられないと 君は消えてったのに
少し気まずそうな顔で 私に手を振ってた

好きじゃない もう好きじゃないと 心となえて 手を振り返す

君がいなくても 一人きりでいても
心から笑えているよ
夏祭りの夜 こんな風に君を
見かけても 泣かないんだよ
ああ花火なんて いつか消えて
綺麗な思い出に変わってく

新しい恋はしたの?と 聞かれて黙っていた
遠くで響く足音の波 寄せては返す気持ち

大好きだ いまも変わらない 素直になっても 今更かな

君がいなくても 一人きりでいても
心から笑えてるかな
夏祭りの夜 消えかけてた花火
もう一度 切なく光る
ああサヨナラは 二度もいらない
思い出はもう増やさないで

君がいなくても 一人きりでいても
心から笑えるように
夏祭りの夜 一瞬だけ光った
片思いに 手を振ったんだ
ああ甘く苦い 思い出だと
いつかは今日を笑えるように
一人ともす線香花火
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