谷間の小屋

越えて行く山路に 雨風吹きつのれ
峰の雲紫に 輝き招く虹
さ我れ峰にたたずみ
見はるかす遠近(おちこち)
空は広く果てしもなく
鳥も飛ばず淋し

かかる時に谷間の 貧しき小屋を
旅人よ涙もて 訪れ給えよ

空高く画(えが)きし 望(のぞみ)はあらじ
君知らぬ喜びは やさしく待てり
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