追憶の湖

山の湖 恋しさに
ひとりはるばる 来たものを
追憶(おもいで)の 花は咲き 花は散り
呼べどこたえる 人もなく
風に山びこ 悲しくかえる

泣いて別れた 白樺に
残る二人の 頭文字
霧が降る 草丘に たたずめば
水に流した 花束が
涙せつない まぶたに浮かぶ

山の湖畔の たそがれは
誰に告げよう この思い
いくたびか なつかしく 振り返る
山のホテルの 白い窓
胸のおもかげ また呼びかえす
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