気がかり

気がかりといえば あのひとのことよ
いつも暗い部屋で ピアノの音がしてた
誰かそばにいるようで いつもあのひと一人だった
近づいても 遠ざかっても
あのひとの淋しさは 変わらなかった
やさしいひとにありかちなことだったけど……

気がかりといえば あのひとのことよ
旅に出るといって どこにも行きはしない
古いカバンとりだして 地図をいくつも見せてくれた
時がたって 遠い街から
なにひとつ 書いてない絵葉書ついた
淋しいひとに ありがちなことだったけど……

近づいても 遠ざかっても
あのひとの淋しさは 変わらなかった
やさしいひとにありかちなことだったけど……
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