冒険者たち

with moonlight
サイドを引いたら 雨上がりの
パークライトがキャンドルのように
揺れて サヨナラの合図 にぶらせるね
少し休んで 潮騒を聞こう

君が 今夜だけの 恋の相手ならば
月の光り ピンライトに くちづけをするのに

with north wind
冬が終わるのを 待ちきれずに
重たい幌を 開けて走ったね
風に 気持ちを引きしめ
君が笑う 「次のコーナーで死んでもいいわ」と

あれは 空の青さ からだ 溶けるくらい
速度計にとりつかれた 冒険者みたいさ
甘いささやきなど とても追いつかない

やがて 君は 日常と
高いヒール脱ぎ捨て oh
未来地図にパンプスはいて 歩いてゆく oh

with starlight
サイドを解いたら 僕と君の
最後のレース 折り返すんだね
暗いフロントグラスに 映る顔は
ブロンズのように 前だけを見てる

君がカーブを切る 軽くアクセル踏み
サイドシート 僕は笑う 「死んでもいい」なんて
君は風をうけて 輝く冒険者
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