夏の最後の日

高く高くお日様が 照らすグランドで
走り続ける君を見て ざわめきが遠のいた

声を掛けたら夢まで 一瞬で消えそう

誰もいない坂道を 歩きながら
擦れ違う君の風で もう息が出来ない

なんて小さな恋なの 触れたら壊れそう

いつの日からか 互い親しげに
呼び合えるようになった 夏の最後の日

雨でぼやけた街路樹 曲がったふたり
何かもの問いた気なまま いつも別れた

何度も何度も後ろを 振り返りながら手を振った

いつからだったか 互い悩みを
打ち明けるようになった 秋の静かな夜

空に一番輝く 同じ星を見て
肩と肩が触れ合って もう君しか見えない

今夜ふたりは初めて 寄り添って眠りに落ちた
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