ピアノ

こんなに近くで 震えてしまう
「なんのためのキスなの?」と問いたくなる
心だけいつも 乱されるから
同じくらい悲しみが溶けるように

合わすこともできない
逸らすこともできない
視線をふたりは泳がせながら 今

あなたは立ち上がる
ピアノに指を置く
私を抱いた手が
まだ何かを欲しがる
どこまでが私で
どこからがあなたで
死にたくなるくらい
愛してるはずなのに

「なぜ」の2文字を 胸にしまって
引き寄せられるままの自分が嫌い

青く白く輝く 強く弱くゆらめく
想いにも似てる あかりに滲ませて

私は立ち上がる
あなたにすがりつく
私を抱いた手が
冷たく振り払う
どこまでが私で
どこからがあなたで
死にたくなるくらい
愛してるはずなのに

ピアノが鳴り響く
ピアノが鳴り響く
私を抱いた手が
奏でるカルマンデュ
どこまでが私で
どこからがあなたで
死にたくなるくらい
愛してるはずなのに
×