おぼろ月

春の夜空に 霞む月
ぼんやり光る おぼろ月
力無くそこにいるだけ
消えそうな私のよう

静かな部屋を見渡せば
どうしようもなく恋しくて
呼びかければ聞こえた声
今はもう聞こえない

泣いて泣いて 忘れられたら
ずっとずっと らくになるのに
会いたい会いたい こんな夜には
現れてよ ここに

桜もやがて花散らし
気づけばすぐに梅雨がくる
季節は変わっていくのに
進めない私だけ

笑い合った あの頃のように
楽しかった あの日のように
そばで そばで 笑いかけてよ
独りにしないでよ

泣いて泣いて 忘れられたら
ずっとずっと らくになるのに
会いたい会いたい 叶うのならば
一目だけでいい

泣いて泣いて強くなるから
ずっとずっと 忘れないから
名前を呼ぶ その声さえも
思い出せなくなっても

忘れないでいて
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