ポケットの恋花火

放課後にこっそり君を呼び出してさ
夏の夜の約束をしたかったんだ
だけど君の照れ臭そうな顔を見ると
計画はあっという間に消えた

季節が味方する片想い 置いていかれないように背伸びをした

君のために恋の花火が上がる
ドクンと音をたてて この胸に花が咲く
笑うたびに少し臆病になる
そんな私をただ見ている いぢらしい夏よ

グランドに光る汗を身にまとった
誰よりも輝く君を見つけた
その日から誰もいない教室で
こっそり恋焦がれてきた

初めての会話響く鼓動 切りすぎた前髪を気にしながら

小さな恋ポケットに隠してる
はみ出さないように 気付かれないように
もしも知れば君は何て言うだろう
夢中な私をただ見ている いぢらしい太陽

帰り道 蝉時雨 見慣れた背中
駆け寄った 君は言ったんだ
「花火を見よう」

好きって言葉じゃ足りない程の恋
ドカンと音をたてて この夜空に花が咲く

笑うたびに少し素直になれる
そんな2人をただ見ている
いぢらしくも 愛しい夏よ
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