鷲のような指が鍵盤に二つ落ちて

鷲のような指が鍵盤に二つ落ちて
許せないのは自分だけになる
このまま世界を 眺めてるだけの
月になればいいと 救えやしないだろう

殺し合うより 笑い合っていたい
理屈を語るより 無いものが見たい
転がってみても しがみついてみても
物足りないのは 俺が人だからさ

森を想ってる 部屋の真ん中で
降りかかるものとか 育ちゆくものとか
絡まる糸が この目を塞いでも
切れ間に残る美しい色よ 例えばそれは 歌 歌

鷲のような指が鍵盤に二つ落ちて
亡霊が見えてるぜ やけに楽しそうな
どっちの世界でも 人の形をした
影が踊る時は 燃えてる火の前で

いつの時代も馬鹿げた思想が 常識など壊してきたさ
何であろうと先駆者達は 鼻で笑われてきたんだってさ
理想郷もない奴らにとってそれは 理解など遥かほど遠い そして
それは深く繊細で 根深い花をすくい上げるようだ

鷲のような指が鍵盤に二つ落ちて
許せないのは自分だけになる
これが最後なら これで最後なら
無いものが見たい 枯れない花が見たい

俺は人間だ 悪魔の動物だ
森の生命体だ 深海の魚だ
森羅万象ただ 欲しがってるだけの
無様な人間だ 儚い人間だ

鷲のような指が鍵盤に二つ落ちて
×