冷たい雪

人混みの中
君に似てる 人を見つけた気がして
振り返る 雪の降る街角
君がいるわけないのに

無邪気に 笑った 君の笑顔
まぶたに 甦るたび 溢れる 思い
今更と 心の目を塞いでも 忘れられない

受話器越し 君の声 響いた
震える声で「さよなら」
音もなく 積もる 粉雪のよう
悲しみは 僕を白く 染めて

割れたグラスのように
二度とはもう元には戻れないことも
わかっていて目をそむけてしまったよ
君の痛みの理由(わけ)から

言い訳ばかりして…

冷めた頬 つたう 熱い 思い
心の雪も溶かすよ
重ねた手 強く 握り返した
あの日君を 抱いてたら
今頃こんな思いをしてなかったかな
何もなかったように二人で笑えたのかな
うつむいた 君の悲し気な瞳

時は無常に 流れてく
眩しかった 君の笑顔
悲しみさえ 日溜まりの船に乗せて

受話器越し 君の声 響いた
震える声で 「さよなら」
音もなく 積もる 粉雪のよう
悲しみは 僕を白く 染めてく
あといくつ 冬が 過ぎ去っても
僕は忘れないだろう
二人確かにいたあの季節
悲しみの雪で君が 見えなくても
×