モノクロ

セピアに浸した 昨日と明日を
象る音色が 浮かんでは消える
「言葉にならぬ」と 濁したセリフで
尽きせぬ思いを 乗せて運ぶ

君に届けばいいと願う そんな日が
この場所から 蘇る

赤に染まる街で いつまでも見ていた空が
風に揺れて波と踊り この胸に戻る
頬を伝ういつかの霧が残していった滴を
風がそっと とかしてゆき 視界が開けてく

モノクロな僕へ…

カーテン越しから こぼれる光が
あの日の僕らを 不意に映す

忘れかけていたと気づく約束が
蜃気楼へ浮かんでく

夢路辿る日々と 速度を上げてゆく時空に
雲間にのびる 一すじの道 思いを照らしてく
遠ざかる記憶と 鏡越しに見える未来を
風がそっと繋いでゆき 背中を押してく

モノクロな僕へ…

赤に染まる街で いつまでも見ていた空が
風に揺れて波と踊り この胸に戻る
頬を伝ういつかの霧が残していった滴を
風がそっと とかしてゆき 視界が開けてく

モノクロな僕へ…
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