納豆うりの唄

暁(あけ)の明星が うるんで消えりゃ
街にそろそろ 朝が来る
声をからして 頬ッペも赤く
みんな寝ている 路地から路地を
僕は少年 納豆うり
ナットー ナットナットー

「え おばちゃん つらいだろって?
ううん ちっとも だって僕
納豆うっちまったら
皆んなと一緒に学校行くんだもの
ナットーナットー」

眠いなんぞと 贅沢いえば
ノート一冊 買えはせぬ
母さんちっとも 辛くはないよ
生まれながらに 涙の味を
知って育った 僕だもの
ナットー ナットナットー

今日も元気だ バラ色雲が
屋根の向うで 燃えている
夢を持つんだ 大きな夢を
破れズックを ひきずりながら
たとえ貧しく 暮らしても
ナットー ナットナットー
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