袖摺坂

傘をかしげて 上(のぼ)りかけたら
下りて来たのが あのひとでした
袖摺坂(そですりざか)は 出逢い坂
うす紅色に こころも染まり
やさしいおんなに なってゆく
そんな そんな気がして 結ぶ帯

他人(ひと)に話せば 幸(ゆめ)が消えそで
そっと仕舞って おきたいのです
袖摺坂(そですりざか)の 花は恋
ほかには何にも いらないけれど
うなじに触れてる 指先は
ずっと ずっと私の ものですね

袂(たもと)濡らして 泣いてた頃に
戻らないよに 祈っています
袖摺坂(そですりざか)に 忍び雨
注(さ)されつ注(さ)しつ ほんのり酔って
このまま甘えて いたくなる
雨が 雨が止むまで 夜明けまで
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