詩人の魂

歌は街々に ながれてゆくよ
風にのって ながれる
ロンタン ロンタン
その古い歌のふしは
いたく胸にしみて
喜びか 悲しみか
はた胸のときめきか
ラララ ラララ…
ロンタン ロンタン
その古い歌のふしは
いたく胸にしみて

“詩人が死んでしばらくしばらくしてから
その歌は街の中に流れてゆく
人々はその歌を誰が作った歌かも
知らないで口ずさんでいる
娘も若者もおじいさんもおばあさんも
金持ちも芸術家もそして貧乏人も
みんな彼の歌を口ずさんでいる
誰が作った歌かも知らないで
詩人が死んでしばらくしばらくしてから
その歌は街の中に静かに流れてゆく”

ロンタン ロンタン
その古い歌のふしは
くずれた壁にしみて
並木のこずえをぬらして
裏街に消えてゆく
歌のぬしも知らずに
ロンタン ロンタン…
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