何もない世界

風が吹き抜けて君は永遠になった
錆びたブランコは宙に浮かんだままで

僕だけを残し夏の日が終わる

声は聞こえない 途切れたキャッチボール
何も知らぬまま線路に止まる蝶々

何もない世界で 何もない世界で

ひとりぼっちで影踏み遊び
日が暮れるまで唇噛んで
忘れ去られた蝉の抜け殻
からから鳴って

何もない 何もない 何もない世界で

遠くの空でひぐらし鳴いて
真っ赤な夕日 擦り剥いた膝
涙もでない さよならさえも
言えなかったよ

何もない 何もない 何もない世界で
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