遠野炎歌

山が哭いたら 吹雪になって
ふたりの足跡 消してゆく
惚れた同志の みちゆきは
峠づたいに 闇の中
許されぬ 恋でいい――
抱いて…抱いて…抱きしめて
燃えて…燃えて…燃えあがる……
遠野の果ての 夢一夜

蒼い焔よ 白馬になって
ふたりを乗せて 舞い昇れ
契りかわせば この肌を
染める雪さえ あたたかい
みれんなど ないのです
いまさら惜しむものはない――
誰が…誰が…呼んだって
けして…けして…帰らない……
遠野の空で 星になる

命火よ メラメラと
この世の掟 焼き尽くせ
抱いて…抱いて…抱きしめて
燃えて…燃えて…燃えあがる……
遠野の果ての 夢一夜
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