月のエレジー

眠れない夜は
窓辺に椅子を寄せて
遥かなふるさとまで 道のりをたどる
瞳を閉じれば 過去(きのう)が見える
忘れても忘れても 思い出す女(ひと)
春の風の音に 真夏の強い雨に
秋の夜長に 冬の静けさに
あなたを想い 想い続けてる

東京ではきっと
私は暮らせない、と
あなたの別れが今 優しさと分かる
あれから何年 過ぎたのだろう
夢ばかり夢ばかり 追いかけた日々
泣いて叱る顔が 吐息が 白い指が
髪の香りが 淋しげな肩が
今でも胸を 胸をしめつける

春の花吹雪に 真夏の蝉時雨に
秋の嵐に 冬の粉雪に
あなたを探し 探し続けてる
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