早春賦

春は名のみの風の寒さや
谷の鴬(うぐいす) 歌は思えど
時にあらずと 声も立てず
時にあらずと 声も立てず

氷解(と)け去り葦(あし)は角(つの)ぐむ
さては時ぞと 思うあやにく
今日もきのうも 雪の空
今日もきのうも 雪の空

春と聞かねば知らでありしを
聞けば急(せ)かるる 胸の思いを
いかにせよとの この頃か
いかにせよとの この頃か
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