津軽絶唱

風がうなれば 山が啼く
三味線(しゃみ)はじょんから 身を焦がす
こんな日暮れは 心も時化る
あなた恋しと また愚図る
津軽 お岩木 五所川原
のぼり列車の 憎らしさ

書いて破って また書いて
出さずじまいの この便り
まぶた閉じれば あなたが浮かぶ
行くに行けない すがれない
津軽 薄墨 冬籠(ごも)り
ひとり寝返り 打つばかり

凍りつくよな 北颪(おろし)
雪は下から 舞いあがる
こんな夜更けは 心もさわぐ
未練ばかりが 押し寄せる
津軽 しぐれて 虎落笛(もがりぶえ)
胸の熱さが 届かぬか
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