別れの港

涙でにじんだ あなたの連絡船(ふね)が
けむる小雨の 波間に消える
さよならと さよならと
声を殺して つぶやく胸に
風が痛いの 冷たいの
あとを追いたい 別れの港

岬のホテルで あなたの腕に
頬を埋めて 明かした夜よ
かりそめの かりそめの
恋と知りつつ 未練にすがる
女ごころの 悲しさを
捨てる小島の 思い出港

瞼をとじれば あなたの顔が
浮ぶ渚に たたずむ私
はまなすの はまなすの
花の香りは ふたりの愛の
夢の名残りか 潮騒も
泣いているよな 別れの港
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