残雪の町

ふたりがいつしか 恋仲と
気づいた朝は 雪だった
風花舞い散る 停車場に
肩よせたたずむ うしろ姿よ
声に 声に ならない 白い白い哀しみ
降って 降って 心に降り積もる……
何も言わず この町 旅立とう
だから友よ 俺の涙 ふりむくな

野あざみ咲く道 自転車で
夕焼け雲を 追いかけた
少年時代の 走馬燈
無邪気な笑顔が 浮んで来るよ
遠い 遠い あの日が 砕け砕けちぎれて
降って 降って 心に吹きすさぶ……
いずれいつか 手紙に 綴るから
だから友よ 俺の涙 ふりむくな

雪よ 雪よ 想い出 すべてすべて埋(うず)めて
降って 降って 心に降り積もれ……
明日(あす)はどこか ひとりで 遠い町
だから友よ 俺の涙 ふりむくな
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