八尾恋歌

おわら編み笠 群から離れ
影を重ねた 去年(こぞ)の秋
どこまで云(い)ったか あの人は
教えておくれ 帰しておくれ
胡弓が咽(むせ)ぶ 八尾恋歌
風の盆

土に三年 この世で三ッ日
ここを先途(せんど)と 蝉が哭く
浮いたか瓢箪 ながれ歌
あの人恋し 格子戸あかり
今年もひとり 八尾恋歌
風の盆

巡りあわせを 嘆いてみても
帰りゃしないさ あの人は
あしたの鳴く分 少しだけ
残して蝉は ねぐらを探す
越中おわら 八尾恋歌
風の盆
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