青木橋に陽は落ちて

青木橋に陽が落ちる
人も車もどこへ行くの
君のいない僕の街に
帰れずに今日も空を仰ぐ

空気みたいに思っていた
気にするまでもなく いつもいた
空気のない街では
息ができないよ

赤い赤い いわし雲が
さざ波のように空を覆う
さよならを上手に告げられず
ひとりじっと立っている

青木橋に風は吹き
食卓のいい匂いを運ぶ
泣きながら帰る女の子
ぬくもりが待っていますように

空気みたいに思っていた
見えなくなるくらい そばにいた
空気のない星では
生きていけないよ

ぽつりぽつり 街の灯り
思い出に今日も影を落とす
さよならを上手に告げられず
ひとりじっと立っている
ひとりじっと立っている
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