別れ出船

情け知らずの 銅羅の音に
泣いて泣かせる 磯千鳥
乙女椿も ほろり散る
青い月夜の 名残り船

肩を抱きよせ ひとしずく
胸に涙の しみのあと
きいてくれるな その先は
海の男の 生きる道

消えてせつない 泡沫(うたかた)も
こんど椿の 咲く日まで
島よあの娘よ さようなら
別れ出船に 残す唄
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