俺はあやかし

夜をひとっ飛び
俺等はあやかし
浮かれ調子の喇叭(らっぱ)吹き鳴らす
言葉巧みに人を誑(たぶらか)す

馬の糞でも喰らうが良いよ
戯れと笑い飛ばすよ

流れを乱し睨みを利かす
碧めた月だけが見てる

日の出と共に姿を隠し
又も取らぬ狸の皮算用

道理人は俺を忌嫌い
ツキが落ちると逃げて廻るのさ

俺等を袖にしちゃ駄目さ

独りになれば何の事はない
附焼刃の智栄も剥れて
虚しい誘いに乗る者も無く
古(いにしえ)の伽話と忘れられてしまったのさ
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