お夏清十郎

可愛いお夏を 小舟に乗せて
花の清十郎に 漕がせたや
春は夜明けの ソレ
こがれ潮

向う通るは 清十郎じゃないか
笠がよう似た すげ笠が
なぜにこいしい ソレ
顔かくす

清十郎殺さば お夏も殺せ
生きて思いを さしょよりも
なまじ情けが ソレ
仇(あだ)となる
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