三日の宿

膝を枕に 本を読む
あなたの髪を すきながら
庭をぼんやり 見ていたら
宿でそろえた 散歩下駄

青い畳が 気に入って
ごろ寝のくせが つきそうと
笑うあなたの 目の中に
私一人が うつってた

一日 二日 もう 三日
あなたと過ごす 旅の宿
もう何も もう何も
いらないね

裾の足りない 浴衣着て
あなたは月を 見上げてる
蛍みたいな 煙草の火
消して流れる 山の霧

指を噛むのは やめてくれ
帰ったあとで 想い出す
無茶をいいたく なったなら
君が困ると いうあなた

一日 二日 もう 三日
あなたと過ごす 旅の宿
もう何も もう何も
いらないね

一日 二日 もう 三日
あなたと過ごす 旅の宿
もう何も もう何も
いらないね
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