天気雨

古びた風が吹く地下鉄のホーム一番隅(はじ)の
改札口で待ち合わせた
二人で笑い合ったすべてが 終わりになりそうな今
階段がひどく長い気がする

生きる事はいつも悲しみと手をつなぐから
しょうがないよ 時々は胸がよじれても

「さよなら」を告げる二人には似合いすぎた外は天気雨
日射しの中に雫きらめいて
「ごめんね」の気持ち言えない 雨が涙隠してくれるから
照れ笑いして濡れたあなた見てた

愛しさ淋しさぶつけ合って 支えきれなくなった
思い出が軋んで痛い 今はね

あなたを傷つけて それがもっともっと深く
自分を傷つけたことわからなかったよ

行き先迷ってる私に似合いすぎた空は天気雨
街路樹包む人波を抜けて
光の中に消えていく 二人の中の見えない時間
雨がやんでも 忘れないでいて

行き先迷ってる私に似合いすぎた空は天気雨
ひとつひとつ 靴音数えて
雨の中にまぎれた私 乾く余裕はないけど、きっと
遠くなっていく現在(いま)は 遠くなってく
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