透明

あの夏 僕らは 裸足で波打ち際まで走った
全てが夢の中 揺れる

風音 潮騒 体中に響き渡って染み込む
まるでスポンジのような ココロ

あれから胸の中に 何が消え 何がある
それぞれの季節が過ぎ ひとりだけここにいる

幼い 笑顔は 今にも崩れそうな透明の瞳を
青空に向けながら はしゃぐ

もしも羽があるのなら 何処に行く 何処がいい
明日も多分ここで この海を見つめてる

いつの間にか時間は体の細胞一つ一つを過ぎて行き
あの頃の青い空も緑の草原も銀色の海もすぐそこにあるのに
遠くなるようで

ページをめくるように季節を越してしまった自分を
今は少し悔やんでいる…

白い砂浜の果てに 何がある 何を見る
あの時と同じように 砂浜に雨が降る

あれから胸の中に 何が消え 何がある
それぞれの季節が過ぎ ひとりだけここにいる
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