異三郎のバラード

胸にくいこむ 夜の風
あの娘の涙で ぬれている
見せてやりたい この笑顔
見せてやれない やくざな姿
今日もあてない 旅をゆく
情け知らずの 異三郎

人のしあわせ まぶしくて
泣くのいやさに 空を見た
流れ流れて 行く先は
西か東か さいころまかせ
どこで散るやら はてるやら
闇に消えてく 異三郎

義理という字に 身をはって
かけた命に 明日はない
おじけづいたら 敗けだから
度胸ひとすじ 長脇差(ながどす)まかせ
ひえた心で 人を斬る
ひとりぼっちの 異三郎
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