郭公啼く里

山の里なら 淋しいに
ましてかっこうの 啼く日暮れ
俺ら一人を 置き去りに
行ってしまった 憎い娘よ
遠い都は あの辺り

去年祭りに 二人して
買ったショールの 後影
行かせともない この胸を
知って居たやら 知らぬやら
振ったその手も 浮き浮きと

暗い夜業(よなべ)の 燈火(あかり)さえ
揺れて吐息の 物思い
女ごころに あこがれた
夢がさめたら 辛かろに
泣いてくれるな すき間風
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