雨の酒場

窓に汽笛が しぐれる夜は
口紅(べに)がぬれます こころもぬれる
酒のグラスを 置いた手で
痩せた肩だと 抱いたひと
夜の港は 今日も雨…

箸の袋で たたんだ鶴を
うしろ姿の あなたは飛ばす
君にしあわせ あげるよと
嘘をわたしに くれたひと
泣いたあの日も 雨でした

不幸なじみの 女の胸に
夢はいつ咲く 止まり木ぐらし
黒いコートの 襟を立て
雨の夜更けに 消えたひと
夜の港は 今日も雨…
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