LIVE REPORT

吉井和哉、グッドモーニングアメリカ、Czecho No Republic、LACCO TOWER ライブレポート

吉井和哉、グッドモーニングアメリカ、Czecho No Republic、LACCO TOWER

『TRIAD ROCKS -Columbia vs Triad-』

2015年05月19日@豊洲PIT

撮影:山本倫子/取材:田山雄士

2015.05.26

7年振りに復活した名門レーベル、TRIAD。その幕開けを飾る主催イベント『TRIAD ROCKS』が豊洲PITで行なわれた。

トップバッターを務めるのは、6月に1stアルバム『非幸福論』でメジャーデビューを果たすTRIADの新鋭・LACCO TOWER。おそらく彼らを初めて観る聴衆も多い中、のっけから爆発力を備えた松川ケイスケのヴォーカルと起伏豊かなグルーブで圧倒し、真一ジェットがキーボードの上に立って煽ったりと、物怖じしないパフォーマンスを見せる。“『TRIAD ROCKS』へようこそ! 今日みたいな4アーティストが揃うことはなかなかないし、みなさんの日常の中のひとつの光がこのライヴだと思うので、楽しんでいってください”と松川が挨拶。キャリアで言えば、のちほど登場するグッドモーニングアメリカとほぼ同期で、故郷群馬での主催フェス『I ROCKS』も大盛況を収めているLACCO TOWERは、細川大介の美麗なギターソロ、どこか懐かしいメロディーなども聴かせながら、激情型ロックバンドの真価を発揮し、イベントも最高のスタートを切った。

イベントのサブタイトル(“Columbia vs Triad”)通り、ここから2組はコロムビア勢。ファンファーレのような「Amazing Parade」で華々しいオープニングを決めたCzecho No Republicは、先ほどのLACCO TOWERとはまた異なる、さわやかなエモーションと男女ツインヴォーカルで場を包んでいく。“ドラムの彼(山崎正太郎)が本当に吉井(和哉)さんのこと好きで、俺がどんな曲を書いても、これはイエモン(THE YELLOW MONKEY)で言うところの「○○」だね、みたいな。で、ちょっと今までにない感じのを作ると、これはソロの吉井さんの「○○」かな、とかウザイんですよ(笑)”と武井優心(Vo&Ba)がゆるく沸かせるMCがありつつ、深い音響の中でトリプルシンセとヘヴィなビートを巧く絡ませた新曲「Beautiful Days」などは痺れるほどに素晴らしい! 「MUSIC」以降の楽曲でも低音や空間を生かしたアレンジが目立ち、チェコの次段階が垣間見られるステージだった。

TVアニメ『ドラゴンボール改』のエンディングテーマとなった「Oh Yeah!!!!!!!」に偶然にも続くかたちとなった悟空コスで登場したグッドモーニングアメリカのたなしん(Ba)。そして“かめはめファイヤー!”の掛け声とともに、同タイアップの「拝啓、ツラツストラ」につなぐという鮮やかなドラゴンリレーで、早くも自分たちのペースを作り出す。中盤で披露した6月10日発売のニューシングル「コピペ」は、グドモならではのキャッチーさとシニカルさが絶妙なバランスで炸裂していて、《コピペパピプペポ》の奇天烈なフレーズも最高! 発売前にして、ファンのハートをがっちり掴んでいた。“コロムビアやTRIADみたいな歴史あるレーベルに参加できてすごく嬉しいし、僕らがまた新しい風を吹かせられたらいいなと思います”と金廣真悟(Vo&Gu)が語り、ラストはコロムビアからの船出を飾ったアルバムタイトルチューン「未来へのスパイラル」。燃え滾るような気迫十分の演奏が頼もしかった。

トリはもちろん、18年振りに古巣TRIADに復帰した吉井和哉だ。歓声が一層大きくなる中、バックバンドのナポリタンズを率いて悠々と現れ、まずは最新作から「 (Everybody is)Like a Starlight」。同MVさながらの柄シャツを纏って、アクションも軽やかに決めると、間髪入れずにTHE YELLOW MONKEYの「SPARK」へ! 時折セクシーにフェイクを効かせ、TRIADのバックドロップを指さして《新しい何かが俺の中で目覚める》と怒涛のテンションでシャウトする吉井のロックスターぶりに、若者を含む全オーディエンスが一気に撃ち抜かれた。しかし、これだけでは終わらない。「TOKYO NORTH SIDE」「クリア」などソロのおいしいナンバーを立て続けに演奏した後、“TRIADには中原(THE YELLOW MONKEY時代のプロモーター)というとてもカッコ良い男がいたんだけども、2000年に若くして亡くなってしまって...”と切り出す。そして“今日はどうしても歌いたい曲があるんだよね。彼が見つけてきたすごいバンドがあって、そのデビューシングルを聴いた時にいつか歌いたいなと思ってたんだ。中原に捧げます!”と話して始まったのは、まさかのTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの「世界の終わり」! 青いタンバリンを振って熱唱する吉井に、それぞれの魂の邂逅に、歓喜のどよめきが起こった。

“今の曲もそうだけど、彼はTHE YELLOW MONKEYのいろんな曲を世に出してくれました。こうやって(TRIADに)戻ってこられたので、中原とまた新しい日本のロックを築いていきたいなと思ってます。古臭いけどね、日本のロックを築いていこうなんて。でも、いいんです。デビュー当時から古いんです、俺は”と笑うと、ラストは“特別な時にしかやらない曲”だという永遠の名曲「JAM」が、特別な男のために鳴らされる。《時代は裏切りも悲しみも 全てを僕にくれる》《素敵な物が欲しいけど あんまり売ってないから 好きな歌を歌う》《外国で飛行機が堕ちました ニュースキャスターは嬉しそうに「乗客に日本人はいませんでした」》――どこを取っても痛切に響くその美しい歌詞に、あらためて感動を覚えてしまう。大盤振る舞いな吉井和哉のステージ、本当にすごかったです。

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 【LACCO TOWER】

  2. 2.檸檬

  3. 【Czecho No Republic】

  4. 【グッドモーニングアメリカ】

  5. 【吉井和哉】 THE YELLOW MONKEY

  6. 2.SPARK

  7. 6.世界の終わり

  8. 7.JAM

関連ライブレポート

注目度ランキングRANKING

  1. Penalty

    中村ゆりか

  2. 相思相愛

    aiko

  3. 運命

    sumika

  4. 雨が降ったって

    日向坂46

  5. 笑い話

    Tani Yuuki

MORE

歌ネットのアクセス数を元に作成