君がいなくなったって、ご飯はおいしい、ちゃんと味もする。

 16歳の女子高生シンガーソングライター“坂口有望(さかぐちあみ)”が、2017年7月26日にシングル『好-じょし-』でメジャーデビューを果たしました。中学の頃から曲を作り始め、14歳で初のステージに立ったという彼女。これまでライブハウスやストリートを中心に、着実に自身の音楽を広めてきました。そして今作のタイトル曲「好-じょし-」をきっかけに、その魅力がさらに多くのリスナーへと伝わっているんです。
 
 SNSや動画コメント欄には「声好きだなー」「曲も耳に残るし歌詞も好き」「はまりそう坂口有望さんの歌い方」「出だしのメロディーから惹かれた」「歌詞可愛すぎる」といった称賛の声がいくつもあがっております!さて、その話題の新曲「好-じょし-」は、<好き>と書いて<女子>と読む、超ポップなラブソングです。今日のうたコラムはそんな、可愛すぎて、でもちょっと切なくて、愛らしい歌詞をご紹介!

口を大きく開けて笑わないで
大きな声で笑わないで
でも 疲れたときこそ笑って?
なんて君はそんなこと言わなかった
またどこかで二人会いたいねってさ
ばかにしないで

君は君の道を走る
走ればいい 走ればいいよ
「好-じょし-」/坂口有望


 きっと通常モードの彼女は、口を大きく開けてデッカイ声で笑う快活な女の子です。でも“君”のことが<好き>だから、たとえ彼が“女の子らしくいてほしい”なんて口にしなくたって、彼の前ではどこか“女子力”を意識していたのではないでしょうか。ただ、その彼と彼女は、それぞれの道をゆくため、離ればなれになる模様。だからこそ“わたし”は今、<ばかにしないで>と言って<好き>も<女子>も封印して、彼女なりに彼の背を押しながら、自分も前に進もうとしているのだと思います。

愚痴をたくさん聞いてあげられないで
口で言う「ごめんね」は照れくさくてさ
伝えれないで「ごめんね」なんて
わたしそんなこと言えなかった
またこれから「二人」になりたいねってさ
ばかみたいね
「好-じょし-」/坂口有望


 また、2番の歌詞からは“わたし”の不器用な性格がより一層、見えてくるようです。1番では<君はそんなこと言わなかった>のに<好き>だから<女子>らしくありたかった気持ちが綴られているようでしたが、2番では<わたしそんなこと言えなかった>と、<好き>なのに最後まで素直になれない“女子心”が描かれております。本当の本当は彼女だって<またこれから「二人」になりたいね>と伝えたかったのでしょう。

君がいなくなったって
ご飯はおいしい ちゃんと味もする
君はロックンロールが好きだと言った

君がいなくなったって
ギターを弾く 地球は回る
君はロックンロールが好きだと言った
二人 気づけば手を繋いでいたよね ねえ
「好-じょし-」/坂口有望

 そして、幕を閉じてゆくラストのサビ。ちなみに<君がいなくなったって ご飯はおいしい ちゃんと味もする>…という歌詞はとくにリスナーの方からの「好き!」というコメントが多く見られました。このフレーズは“わたし”の本音でしょうか。それとも強がりなのでしょうか。よく“<女子>の恋愛は上書き保存で、一度別れた男のことはきれいさっぱりと忘れられる”と言いますので、案外、彼がいなくなったって大丈夫なのかもしれません。
 
 でも、最後の<二人 気づけば手を繋いでいたよね ねえ>というフレーズは、まだ<好き>だから強がりきれなかった<女子>の本音の部分にも感じられますよね。“ねえ”という二文字に、言葉にできない色んな気持ちが含まれているような気がします。前を向いて先へゆくためのパワーと、ほんの少しの寂しさ、そのどちらも込められているのがこの「好-じょし-」という楽曲なのでしょう。女子の皆さんは、ラストの“ねえ”からどんな想いを受け取りますか…?

◆紹介曲「好-じょし-
作詞:坂口有望
作曲:坂口有望

◆メジャーデビューシングル「好-じょし-」
2017年7月26日発売
ESCL-4898 ¥1,111(税抜)

<収録曲>
01. 好-じょし-
02. 紺色の主張
03. 16 さいのうた-Studio Live Ver.-