愛なんて知らない君の本当もわからない
あたしがいつも付けてるキーホルダーは君じゃない
笑った顔が見たいあたしといつもの道の角を曲がって
二つ目の赤で手を繋いで
「信号」/aiko
そして、依与吏さんが“「愛してる」という言葉を使わずに愛してるを伝える名曲”としてピックアップしたのがこの曲。たしかに<愛なんて知らない>というフレーズは、たった一言で、「そんな言葉、どうでもいいくらい君を想ってんの!」という女の子の理屈じゃない本能での恋心を感じますよね…!一方、back numberの楽曲では「クリスマスソング」の<長くなるだけだからまとめるよ 君が好きだ>や「花束」の<んんどうかなぁでもとりあえずは 僕は君が好きだよ>といった「好き」の殺し文句的フレーズは有名です。では“キメ台詞”としてではなく、「愛してる」という言葉はどのように綴られているのでしょうか…。
あなたが好きって言ってた私のすべてで
全部であなたを好きでした
愛してるよって言ってたその同じ声で
さよならって言われに走ってくのさ
「fallman」/back number
愛してるなんて言われたって
もう私は好きですらないので
返す言葉も慰める権利も
嘘でもいいからなんて言う人じゃ無かったのに
「ミラーボールとシンデレラ」/back number
愛して欲しいと叫ぶ事は
いつの間にやら恥ずかしい事のようで
愛していますと叫ぶ事も 時代遅れみたいだね
開き直れば 私はきっと幸せね
選ばれなくてもここに いられるのだから
「助演女優症」/back number
もっともっと私を知って欲しいんだって
汚れきった奥の奥まで みせてあげる それで
もっともっと私を愛して欲しいんだって
躊躇しないで そんなんじゃ感じないわ
「MOTTO」/back number
注目したいのは、これらがすべて“女性目線”の楽曲であるということです。依与吏さんは番組内で「fish」という楽曲について「最初は男性主人公のつもりで書いていたけど、途中で“さよなら”という言葉は女性のものだなぁと思って、主人公が女性に変わった」とおっしゃっていました。もしかしたら「愛してる」という言葉も、どこか女性味を帯びたもの、または女性が欲しているものなのかもしれないですねぇ…。さらに現在、歌ネットでは【back number特集!清水依与吏インタビュー】を絶賛公開中ですが、あまり“両思いソング”を作ること自体が多くないという彼は、こんなことも語ってくださいました。
「女の子って…なんて言うんだろうな…平気で幸せな曲を歌うじゃないですか。俺はあれがすげぇなぁと思って。それこそaikoさんとか、西野カナちゃんとかって、“もちろん迷いもあるけど、ずっと一緒にいてね”みたいな感じをすげぇ安らかに歌い上げるから(笑)。だけど女の子がそれをやると絵になるし、男が聴いても「あ〜こんなふうに彼女に思ってもらいたいなぁ」って思うんですよね。それを男がやるのは至難の技で、男友達に話すみたいなテンションで「俺すげー幸せなんだよね、あの子のこと好きでさぁ」みたいなこと歌ったら誰も聴かないような気がして(笑)。そうとう角度には気をつけないと。」(清水)
これは【「愛してる」って使う?使わない?問題】にも繋がっているような気がします。つまり、歌の主人公を女性にすることで、男性として本来なら口にするのが照れくさいはずの「愛してる」を少し客観的に歌うことができる、ということもあるのではないでしょうか。そしてヒロインに扮して歌う「愛してる」はやはり、歌として切なく美しい“絵になる”のです。今後もback numberは、男性目線の曲に関しては「愛してる」を伝える角度にもそうとう気をつけて歌詞を綴っていくのだと思いますが、もしかしたら女性目線の曲で“キメ台詞”として「愛してる」が登場する楽曲も生まれるかもしれませんね…!