2025年8月6日に“少年キッズボウイ”がメジャー2ndデジタルシングル「エバーグリーン」をリリースしました。同曲は、アコースティックギターの響きを軸に、ドリーミーでエモーショナルな音像が広がり、そこに物語性あふれる歌詞が溶け合う、少年キッズボウイらしいネオアコナンバーに仕上がっております。
さて、今日のうたではそんな“少年キッズボウイ”のこーしくん(Vo.)による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「エバーグリーン」にまつわるお話です。青春とは「偶像」にすぎず、青春ソングもまた、リアリティを欠いた「偶像」を届けるものになる。しかし、青春を歌った新曲が、通常の青春ソングと異なるその理由は…。
◆紹介曲「エバーグリーン」
作詞:アオキコーシ
作曲:アオキコーシ
配信リンク:https://lnk.to/skb_evergreen
かつて米国の実業家サミュエル・ウルマンは言った。
――青春とは、人生のある期間ではなく、心の様相を言う。
一聴すれば、美しさと希望に満ちた格言として、年老いた人々の背中を押す言葉に聞こえるだろう。
しかし、実際に「青春」を体現するには、過去を振り返る必要がある。
青春を追い求めるのは、一度その味を知ってしまったからに他ならない。
記憶を頼りに再構築を試みても、オリジナルをそのまま復元することはできない。そこに生まれるのは、万人の憧れを集める「偶像」にすぎないのだ。
ここでPOPSの定義について触れておきたい。
ロック、R&B、クラシック――あらゆる要素を取り入れてきたPOPSに共通する根底は、ただ一つ。「青春について歌う」という点である。
つまりPOPSは、リアリティを欠いた「偶像」としての青春を大衆に届けるため、1世紀近く擦られ続けてきた触媒とも言える。
さて本題に入ろう。
少年キッズボウイが新曲「エバーグリーン」を2025年8月6日にリリースした。
この曲は様相としてPOPSの体裁を持ち、内容も「世間から隔離された少年が、自分を受け入れてくれる存在を求める」という、まさに青春を描いたものだ。
しかし、鋭い読者なら気づくはずだ。この曲は通常の「青春ソング」とは趣を異にしている。
なぜ「青春」を歌いながら、「青春」とは区別されるのか。
それは、青春が「青」であるのに対し、「エバーグリーン」は「緑」だからだ。
色が、まるで違う。
「青春」を擦れば擦るほど、それは無味乾燥な「透明」に近づく。
しかし「エバーグリーン」を煮出せば、それは深い味わいの「緑茶」になる。
使い古された青春よりも、この「エバーグリーン」の方が、あなたが求めていたものに近いのではないだろうか。
自然と手を伸ばしてしまったあなたに、私はこう伝えたい。
――やはり、選ばれたのは“綾鷹”なのだ、と。
<少年キッズボウイ / こーしくん>
◆紹介曲「エバーグリーン」
作曲:アオキコーシ
配信リンク:https://lnk.to/skb_evergreen