バンドとあなたは都合のいい関係。そんなもんでいいと思う。

 2024年6月12日に“cherie”が1st EP『誰よりも幸せになれ、報われろアタシ』をリリースしました。彼らは、平均年齢20歳の4人組バンド。初となる全国流通盤は6曲入りEP。作詞作曲を手掛けるおざき れん (Vo/Gt) の等身大で紡ぎ出す恋や愛の歌は唯一無二。雰囲気のある世界観と耳馴染みのいい中性的なハイトーンヴォイスを引っ提げて全国デビュー!
 
 さて、今日のうたではそんな“cherie”のおざき れんによる歌詞エッセイを3週連続でお届け! 今回は第1弾です。初のEPはどのような作品なのか。自身の気づき、そして、今作を世に放つ今の想いを綴っていただきました。歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。



初めまして。cherie Vo/Gt おざき れんです。
6月12日にリリースされた1st EP『誰よりも幸せになれ、報われろアタシ』について、計3回連載していただけるとのことです。非常に嬉しい。ありがとうございます。
 
まず今回はこのEPがどのような作品なのか、お話しようと思います。
 
1st EP。初の全国流通盤。ついに発売されました。
大事な曲たちがひとつに纏まってCDとして形になり、それが沢山の人の手に渡ると考えると本当に嬉しい。
 
この作品の中には僕なりのいろんな角度からの「幸せ」がいくつも散りばめられています。しかし、これは決して意図したことではなく、レコーディングも終え、最後EPのタイトルを決める頃、歌詞を見返して、その時初めて気づきました。
 
誰よりも幸せになれ
報われろアタシ
アタシはアンタのペットでもないし家政婦でもない
誰よりも不幸せで
報われないでいて
そして、あぁ、やっぱいいや、
話す価値もない
 
タイトルは5曲目の「貴方依存症」の一節から抜粋しました。
 
今作は、「こういう1枚を作ろう」という形から入ったものではなく、何かビジョンが特別あった訳でもなく、ただ曲たちをレコーディングして、それをCDにする。そうやって作品として完成させ、形として残したかった。言ってしまえば自己中心的な考えだったのですが、いざ出来上がって聴いてみるとそこには僕自身が伝えたいメッセージ性のようなものが自然と浮き上がってきていて、EPを通して伝えたいことはこれだったのか…結局誰かに何かを伝えたい、見つけてほしいんだなと。
そんな自分自身に驚いた反面、少し安心もした。
 
本日、大切に育ててきた楽曲たちは世に放たれた。聞き手にはあの言葉はどのように伝わるのか、あの曲にどんなストーリーを重ね、それをどう調理するのか。あなたの解釈でどう感じとってくれても構わない。
 
声のトーン、言い回し、発音、ひらがな、カタカナ。
日本語というものは凄く独特で作詞家として目が回りそうになる時もあるけれど、逆にそれが日本語の素晴らしさだったりする。
 
好きな時間に好きなようにどんな場所にでも呼び出して、その日の気分によって取っ替え引っ替え、その日の気分によって曲をセレクト。
バンドとあなたは都合のいい関係。そんなもんでいいと思う。
 
<cherie Vo/Gt おざき れん>


◆1st EP『誰よりも幸せになれ、報われろアタシ』
2024年6月12日発売
 
<収録曲>
01. 変わらないで
02. 恋はジレンマ
03. 繰言
04. 幸せ空間
05. 貴方依存症
06. 幸せと災難