全ては「仕合わせ」だと信じて。

 2023年8月9日に4人組ロックバンド“DISH//”が初のEP『HAPPY』をリリースしました。Vo/Gt.北村匠海が作詞作曲を手掛けた「エンドロールは悲しくない」、Dr.泉大智が親友の結婚に際して書き下ろした「ウェディングソング」を含む、全5曲を収録。
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“DISH//”の泉大智による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、自身が作詞作曲を手掛けた収録曲「ウェディングソング」にまつわるお話です。この曲を書くきっかけになった身近な愛。ウェディングソングを書きおろすにあたり、改めて考えたことは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。



愛は素晴らしい。
人を愛せる事は素晴らしい。
愛はいつの時代もなくてはならない物だと思う。
ウェディングソングを書くきっかけになったのも身近にある愛を感じる事が出来たからだ。
 
自分の友人から結婚するという話を聞いた。
付き合いの長い友人なだけあって最初は驚いた。
自分達もそんな年齢になったのかと。
結婚は人生において大きな一歩だと思う。
そんな決断を話してくれた事が嬉しかった。
 
ちょうど制作真っ只中の時にこの話を聞いて、今何を曲にするべきだろうか、自分が一番優しい気持ちで書ける曲はなんだろうかと考えた時、やっぱりこの結婚の話が一番に思い浮かんだ。
迷いなく愛のある歌を書けると。
そこからウェディングソングの制作が始まった。
 
出逢いって奇跡だなと改めて思う。
この地球上に何十億人もの人がいる中で、生涯で出逢う人なんてほんの一握りだと思う。
そんな中で出逢ってから深い時間を共にして、結婚までいくなんて物凄い確率なんだと。
 
当たり前に思うかもしれない。
けどそれを当たり前に思わない事が人生を豊かにする方法の一つかもしれない。
 
人を愛せる時間を大切にして欲しい。
そして人との出逢いを大切にして欲しい。
誰かがいてくれるお陰で生きられていると。
それが恋人だろうと友人だろうと誰であろうと、一人で生きている人間はほとんどいないと思う。
人は皆誰かの愛を気付かぬ所で受け取っている。
それが繋がって生きている。
そんな事を少しでも感じる事が出来たら、愛のある人生、そして愛のある世の中になっていくのではないのかと思う。
 
お互いを許し合って共存していく未来を目指して。
同じ価値観の人間なんていなくて、それぞれ違うから人間は面白いのであって。
それを受け入れ合っていく事が結婚生活でも大事なのかと。
産まれてきた時点で皆正解なんだと自分は思う。
愛を忘れなければきっと大丈夫。
 
この曲を聴いて少しでも優しい気持ちになってくれたら嬉しい。
その優しさを誰かに分け与えてあげられたらもっと優しい世の中になると信じている。
愛はきっと連鎖していくと。
大事なのは、これも"友人と出逢う事がなかったら書けなかった曲"だという事だ。
全ては「仕合わせ」だと信じて。
友よ、優しい歌を書かせてくれてありがとう。 

<DISH//・泉大智>



◆紹介曲「ウェディングソング
作詞:泉 大智
作曲:泉 大智

◆1st EP 『HAPPY』
2023年8月9日発売

<収録曲>
M1. 「エンドロールは悲しくない」
M2. 「ウェディングソング」 
M3. 「Vamping」 
M4. 「everyday life.」 
M5. 「HAPPY」