愛する人をどれくらい“待つ”ことができますか…?

「我々の毎日はほとんどが待つことで続いている。夜が明けるのを待ち、雨が止むのを待ち、バスを待ち、湯が沸くのを待つ。(中略) 待つ、待つ、待つ ― その先に、一瞬の閃光があるのだ」

 恩田陸の著書「イサオ・オサリヴァンを捜して」にそんな一節があります。たしかに私たちの毎日は“待つ”ことが多いですよね。ダルーい授業が終わるのを待つ、LINEが既読になってから返信がくるのを待つ、面接の結果を知らせる電話を待つ。なんとなく“待つ”=つらい時間というイメージがあります。なにより、いつまで待つのかわからない、いつになれば報われるのかわからない状態が一番しんどいですよね。それでもやっぱり“一瞬の閃光”を信じて待ち続けてしまうもの…。

 7月8日、新潟県上越市出身の3ピースロックバンド“My Hair is Bad”がリリースするシングル「一目惚れ e.p.」のリード曲「真赤」の主人公も、まるで犬のように忠実に“君”を待ってしまっている男性。“ブラジャーのホックを外す時だけ 心の中までわかった気がした”というインパクトのあるフレーズでこの曲は幕を開けます。
 
“春、恋に落ちて
耳を澄まして
君を探して
僕は誰かを
ついに失って
それでもいいって
君を待とうって決めてた
夏の匂いがした”

 鍵を残して出て行った君、下北の地下のライブハウス、3番線の悲しい音、空っぽのコルクボード…。歌詞に登場する言葉からも、“待ったところで自分のものになるかわからない”不安や空虚感が伝わってきます。でも、曲が終わりに近づくにつれこの主人公の“僕”は徐々に変化していくのです。春が夏に変わるまで、「真赤」な首輪をつけたまま君を待っていた僕はいったいどんな未来を選ぶのでしょうか。
 
 シングル「一目惚れ e.p.」より、この「真赤」の歌詞が先行公開されております。ぜひ歌詞でこの曲からみえる景色を味わいながら、リリース日を“待ち”ましょう…!

◆SINGLE「一目惚れ e.p.」
2015年7月8日発売
POCS-1341  1,296(Tax in)