全国ツアーファイナルで、夏の3連続リリース発表!!

 3月に行われた武道館単独ライブ『球体』から、2ヶ月。昨年アメリカ&ヨーロッパ最大級のラウドロックイベントツアー<TASTE OF CHAOS>に出演するなど、海外を中心に活動をしてきた『ムック』にとって約1年ぶりの国内ツアーMUCC JAPAN TOUR2009『球体』が、5月17日JCBホールでファイナルを迎えた。

 アルバム『球体』のジャケットが再現されたセットと大音量で鳴り響くSE。胸の高鳴りがマックスになったころ、暗転が静寂を創り出し、SEとして流れてきたのは、アルバムのオープニング・ナンバー「球体Instrumental」。メンバーが登場すると、今度はその静けさを「咆哮」が突き破る。「ハイドアンドシーク」「アゲハ」「陽炎」「レミング」とアルバム『球体』の曲がたて続けに演奏される。

 おもしろいことにこのハードロック色の強い激しいアルバムの曲を聴かせるなかで、いちばん印象的だったのは、静寂の瞬間と光の絶妙なタイミングだった。「ファズ」が終わると、ステージを真っ暗な闇が包み込み音だけが鳴り響く、再び光がステージを灯すとギターのミヤが中央でギターを弾きながら「オズ」へと移り変わる。その演出の巧妙さに、客席からは喝采が巻き起こる。

 また、足元だけを照らす光でボーカル逹瑯が歌い上げた「讃美歌」。ステージに光がともったのは、教会のステンドグラスにキリストをモチーフにしたイラストが浮かび上がった瞬間だった。7分を超える大作は、聴く側の神経すら研ぎ澄まさせ、彼らが曲に込めた想いを強く印象づけた。「JCBホールでライブをやった人は、みんな小さな武道館だって言いますけど、僕らにとってはライブハウスです!思いっきり暴れて狂っちまおうぜ!」。

 後半は、「空と糸」「シヴァ」「名も無き夢」など激しい曲で会場を揺らす。さらに、ライブではすっかりおなじみになった「蘭鋳」の4カウントでのジャンプでは、「俺は、このツアーを廻ってわかったんだ! 人間は、飛べるんだ!」という逹瑯の言葉の通り、客席は会場を揺らすほどの大きなジャンプを見せた。

 そんな激しく熱い時間をものともせず、ラストナンバーは「hanabi」のア・カペラを堂々と歌い上げる。後半は、球体にミラーボールが放つ無数の光が当たり、まるで星が照らしているようだった。

 アンコールの「優しい歌」では、「3千人で思いっきり歌おう」という言葉に即されて会場中に大きな声が鳴り響く。さらに「SATOちも歌う?」とドラムのSATOちにもマイクが渡され、ベースのYUKKE、ギターのミヤの3人の歌声も響き渡った。「フライト」「流星」という希望にあふれた3曲でライブは終了。大満足の客席は、高く手を掲げ、メンバーの満面の笑みに応えていた。

 ラストに、モニターに映し出されたのは8月に3週連続でリリースされるDVD&カップリング集2作品と8月18日〜20日にかけて行われるムック文化祭「朱音祭」の詳細。そして次なるステップとして「MUCC WORLD CIRCUI2009-Solid Sphere-」として、初の南米(ブラジル、アルゼンチン、チリ、メキシコ)とヨーロッパ全土(イギリス、フランス、ドイツなど)を10月〜11月の1ヵ月に渡り計13ケ国をまわる公演の決定が告知された。

 活動の場を広げ、さらなるワールド・ワイドな展開を見せる彼ら。次は、いったいどんな成長を遂げて戻ってくるのかが楽しみでならない。

■「The Clips 〜track of six nine〜」DVD
2009年8月5日発売
UPBI-1025
¥3,800(税込)

■「カップリング・ベスト」album
2009年8月12日発売
UPCI-1093
¥3,000(税込)

■「カップリング・ワースト」album
2009年8月19日発売
POCS-1028
¥3,000(税込)