新曲は“窪田正孝”の主演ドラマ『僕たちがやりました』OP曲!

 5人組バンド“Mrs. GREEN APPLE”が2017年8月30日に、5th SINGLE「WanteD! WanteD!」をリリース!今作のタイトル曲は、カンテレ・フジテレビ系 火9ドラマ『僕たちがやりました』のオープニング曲として書き下ろされました。主人公のトビオは“そこそこ楽しく生きてりゃいい”という思考の持ち主ですが、インタビューには、そんな彼と正反対の高校生だった、ボーカル・大森元貴さんがご登場!取材終了後「こんなに歌詞のことをお話したのは初めてで楽しかったです!」とおっしゃる笑顔がとても印象的でした。バンドの軌跡、ご自身の人生観、そして新曲の歌詞について…、ボリュームたっぷりの内容です!

(取材・文 / 井出美緒)
WanteD! WanteD! 作詞・作曲:大森元貴
WANTED! WANTED! 僕らは生きている
WANTED! WANTED! 間違いながらも
逃げるのに慣れて 【愛】に気づけなくなっている
いつか綺麗な 大人になれるかな
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INTERVIEW
夢見がちなだけの高校生だと思われる時期もあって。

元貴さんは小6で音楽を始めて、その頃から「プロになりたい」と公言されていたそうですが、もっと幼い頃から音楽が身近にあったのでしょうか。

大森:そうですね。兄貴がいるんですけど、僕は三兄弟の末っ子で、真ん中と7才差、一番上とは14才も年が離れているんですよ。だから当時、兄貴が家や車で流している音楽を自然に聴いていましたね。とくにモンパチ(MONGOL800)さんは大好きで、僕が音楽を始めるきっかけにもなりました。あとお父さんも高校の頃、ドラムをちょっとやっていたりもしたし。特別に音楽一家というわけじゃないんですけど、そういうところからいろんな曲に触れる機会が多かったんです。

ではご家族の方は、わりと最初から元貴さんが音楽の道へ進むことには肯定的でしたか?

photo_01です。

大森:いや、中学のときは、自分のなかで「音楽がやりたい」という気持ちが完結しすぎて、お勉強は必要ないんじゃないかという極論に至り、学校に行かなかった時期もあって。そこでかなり心配をかけていました。だけど、中学2~3年の頃に一度、ライブハウスに出られることになったので親と兄貴を呼んで、オリジナル曲を披露したんです。それがきっかけで認めてくれたみたいですね。

バンドを組むまでに、何曲ぐらいオリジナル曲を作ったのですか?

大森:えー、どれくらいだろう。一人の時間はずーっとDTMで曲を作っていたので、その当時でもう300曲くらいあったんじゃないですかね。だから未だに自分の曲が覚えられないんですよ(笑)。ミセスを組む前に300曲くらいあって、バンドやってからもどんどん増えているので、今の時点で400曲以上はあるんじゃないかなぁ。

400曲!大量ですね…!当時の曲と比べて、歌詞の面で変化したところはありますか?

大森:昔の歌詞の方が、遠まわしに何か伝えたり、比喩を使ったりすることが多くて、難しかったのかな。今はすごくわかりやすくなったと思います。でも、結構ポップなメロディーを歌っているのに、言葉はドスが効いているというか、毒々しいような感じは変わらないですね。「普通はこの曲調にこの歌詞は入れないでしょう」みたいなことは前から言われることが多いです。

また、かなり若い頃から曲作りをなさっていたので「この若さでこのハイクオリティー!」と、年齢を強調して褒められることって多かったのではないでしょうか。

大森:言われましたねぇ(笑)。それに対しては“若いというチケット”みたいな感覚だったかなぁ。武器になるとは思っていたんですけど、成人すれば自然と言われなくなるだろうって。でもたしかに以前は、「若いくせにこんなこと考えてんのかよ」って目で歌詞を見られているということは感じていました。とはいえ、同じものを今、二十歳の僕が書いたとしても、説得力は当時と変わらないような気がするんですよね。だから自分としては、年齢と楽曲のアンバランスさはあまりないんです。

Mrs. GREEN APPLEは、2013年に結成されて、その2年後の2015年にメジャーデビューを果たされましたが、そのときの心境はいかがでしたか。

大森:早いなぁ!と思いましたね。高2でミセスを組んで、高3で卒業した次の日くらいにメジャーデビューの発表をしたので。ただ、デビューが決まったときは「やったー!」というより、すぐ「じゃあどうしようか」という具体的な話になりました。小6の頃から、音楽でご飯を食べていきたいって思っていたから、夢が叶う嬉しさはもちろんあったんですけど、その頃にはもうデビューはひとつの通過点でした。バンドのバランスを安定させて、良い曲を作っていくことが全てだと思っていたので、みんな一歩先に進んでいたんだと思います。

メジャーデビューしたい、音楽で食べていきたいという気持ちは、バンドを組んだ時点でメンバー5人とも固まっていたんですか?

大森:わりと最初から決めていました。プロになりたいという気持ちがある人を誘ったし、メンバーもそういう意志で集まってくれていたので。でも、周りからただ夢見がちなだけの高校生だと思われる時期もあって、それをぬぐっていくのには時間がかかりましたね。今はデビューできているから、音楽が全てだ!とか、はっきりと言えるけど、当時の葛藤はそれぞれあったと思います。

高校生にとって、ものすごく大きな賭けですよね。

大森:そうなんです。ギターの若井は僕と同じ年なんですけど、高校の授業はどうするんだとか、卒業できるのかとか考えなきゃいけなかったし。キーボードの藤澤も、長野から上京してきて、一人暮らしを始めたばかりで、お金も全然ないタイミングでバンドを組んだし。そのときにキーボードを初めて買ったというような状態だったんです。それでも、中途半端にやるんじゃなくて、本気でやっていきたいよねって思いはメンバーみんな共有していましたね。本当に、必ずこの賭けに勝ちに行くという気持ちでした。

そして今年でデビューから二年が経ちました。結成からデビューまでの二年と比べて、時間の感覚は違いますか?

大森:メジャーデビューしてから今までは爆速ですね!だから体感時間としてはまだ全然二年も経ってなくて、もっともっと短い感覚です。僕としては、バンド結成してからデビューまでの二年間の方が、山ほどの思い出が記憶に残っているというか、いろんなことがありまくった気がしています。やっぱり、自分らの道がちゃんと決まってからの時間と、確立するまでの時間とでは、だいぶマインドが違うんですね。

ちなみに、結成から今まで、メンバーのみなさんは大きな言い争いなどしたことってありますか?

大森:まったくないです(笑)。休日でも、車を借りてみんなでご飯を食べに行ったり、一日中ショッピングモールで服を買い合ったり、クリスマスプレゼントを交換したりもしていますね。結成してからずっと、仲はめっちゃ良いと思います!



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