薄紅の春の中

黄昏が野辺を 蜜の色に染め
心を静かに あの日に帰す
物憂げな宵に まだ君を想えば
かすかなめまいの中 胸に甦る
お互いためらいがちに 重ねた手のぬくもり
恥じらう君の横顔 今も愛しい

一陣の風の中で 満天の星の下で
君の面影に酔う

ときめいた日々に 戻れないのなら
二人を繋ぐのは 思い出だけか
ささやかな夢を 指先でなぞれば
いつかは幸せまで 辿りつけますか
短い命を燃やし 大事に育てたけど
はかないこの恋心 枯れたままなら

ひとひらの花の様に 薄紅の春の中に
せめて いさぎよく散れ

お互いためらいがちに 重ねた手のぬくもり
恥じらう君の横顔 今も愛しい

一陣の風の中で 満天の星の下で
君の面影に酔う
君の残り香に酔う
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