残照

足早に暮れてゆく 秋の夕陽のいさぎよさ
久しぶりに散歩する父と二人の遠回り
はるか昔にこの人の背中で聞いた祭りばやし
遠く聞こえて道の向うに目をやれば
影を落として小さなカラスが空を行く

“人生は祭りのよう”何気なく貴方は言った
その後の淋しさにたえる勇気が出来ました
残り少ない祭りの夜は
せめて一緒にそばに坐って
酒でも飲んで同じ話を繰り返し
胸のページに書き写してすごしていよう

哀しくて哀しくて 体全部が哀しくて
目頭が熱くなり思わず貴方を追いこした
見えていますかこれが貴方の 見えていますかこれが貴方の
夢を削った 夢をこわした背中です
震えているのはきっときっと…
震えているのはきっときっと…
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