信濃路ひとり

ひとつの恋が 終わるとき
おんなは旅に 出るのでしょうか
信越本線(せん)で 小諸(こもろ)まで
千曲川(ちくま)の流れ 見ています
こんなに遠く 離れても
逢いたいこころが 乱れます
あゝ 風の中 振り向けば
やさしいあなたの 想い出ばかり…

おんなは愛の その深さ
別れたあとで 知るのでしょうか
あなたのいない 蓼科(たてしな)は
寂しさだけが 肩を抱く
黄昏色の 湖に
こぼした涙は 誰のため
あゝ 出来るなら 白樺(しらかば)の
小径(こみち)をふたりで 歩きたかった…

窓辺に頬を 押しあてて
倖せ指で なぞる夜
お酒に酔って 眠ったら
明日(あした)は東京へ 帰ります
あゝ 星の降る 八ヶ岳(やつがたけ)
あなたが恋しい 信濃路ひとり
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