ヒュルル

透き通ったビー球がころがっていく
キンモクセイのにおいがして
胸がぎゅっとなる

Tシャツじゃオートバイはもう寒いね
思わず鼻をすする

ヒュルルルルルルル
風が歌って
次の季節を呼んでる
それはそれは不思議な歌声で
みんなが少しさみしくなる

駅裏の古本屋 店の親父も
カーディガンなんか羽織って
なんだ、おしゃれじゃない

マフラーぐるぐるまいて 浮かぶはあの子
思わずくしゃみをひとつ

ヒュルルルルルルル
風が歌って
次の季節を呼んでる
それはそれは不思議な歌声で
あの子とふとんにもぐりたい

ヒュルルルルルルル
風が歌って
次の季節を呼んでる
そっとそっと あの子がふりかえる
夢をみて わくわくしているよ

ヒュルルルルルルル
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