夢見鳥

ホームを流れて 行くは終列車
誰もが笑顔で 乗り込んだ
正月 帰省旅
ごんごん ごんごんと
除夜の鐘が鳴る
さらさら さらさらと
雪が舞う 雪が舞う
幸福の 春まだき
独り 塒(ねぐら)鳥

あの人恋しと 啼くは川千鳥
人込みの中で 手を繋ぐ
納涼 夏花火
ぽろぽろ ぽろぽろと
涙が頬伝う
くるくる くるくると
回る回る 風車
戻りたい 戻れない
心 乱れ鳥

故郷離れて 早幾年か
祭り囃子が 聞こえて来る
豊年 秋祭り
とととん とととんと
太鼓が鳴り響く
ちちちん ちちちんと
鉦(かね)を撞(つ)く 鉦を撞く
帰りたい 故郷へ
逸(はぐ)れ 夢見鳥
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